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信頼関係

欅拭漆飾棚

とある著名な木工芸家が製作した飾棚の蝶番が折れて取れてしまったとの事で、お声を掛けてき頂きました。通常であれば、製作者に修理してもらうものだと思いますが、お客様の希望によりこの度の飾棚はその木工芸家の所へ行く事なくウチへ来ました。

作業自体は、元々取り付けてあった金具を元に、蝶番(漆焼付け)を製作し直し、取り付けさせて頂くのと、これは構造上の問題だと思いますが、扉を開閉する度に棚板と擦ってしまい木地が見えてしまった部分の拭き漆のやり直しで、難しいものではありませんでしたが、色々と考えさせられました。

無垢材を扱いモノづくりをしている者は、木が伸びたり縮んだり捻れたりと色々動くのを理解した上で製作することを心掛けているはずです。それでも、色々な事情により不具合が出てしまい今回のように修理しないといけなくなる事があるかもしれません。

僕が製作した家具がそのような事態になった際、他の木工をされておられる方の所へ行くことなく、直接お声を掛けて頂けるような関係をお客様と築いていきたいと強く思った今回の一件でした。